レジデンス

Wauke Project

ハワイの天然資源を生かし、各地からアーティストらを招聘し10年以上前から継続されてきたWauke Project。
Wauke とは梶の木のハワイ名であり梶の木は日本国内では和紙の原料として使われる楮の原種であり、梶の木自体も和紙の原料である。
ハワイではポリネシアからカヌーで移り住んだ人々によって太平洋を運ばれたカヌープランツの一つであり、タパと呼ばれる樹皮紙の重要な原料であった。これは繊維をばらばらにして平らに再構成したものという紙の定義からはずれ、ひたすらに樹皮を叩き伸ばしたシートである。
一方ハワイでは繊維をばらばらにして作るいわゆる紙は作られることがなかった。
また、なにもなかった溶岩の大地。ハワイ島。ここに、ポリネシアをはじめ、ヨーロッパから、また日本など世界各地からの移民によりそれぞれの文化を持ち込み、発展させてきた。
すでに日本の陶芸や木版画なども現地に根付いているように見受けられる。
そこで木版画にかかせない和紙を豊富なハワイの材料でつくり、新たなハワイの文化の一つとし、また、ワークショップ等を通じ子供たちへの教育への活用するプロジェクトを行っている。
滝澤はこのプロジェクトではWaukeの他、補助原料としてハイビスカスの一種の粘液を使い、
木版画シンポジウムにあわせ、ハワイの材料を使った、質の良い木版画用紙の開発。そして木版画国際シンポジウムでの表彰状の製造および副賞としての木版画用紙の製造。またDonky Mill Art centerでの子供たちのアートキャンプでのワークショップなどを行った。

 
 
WAUKE PROJECT 水     
 紙は繊維をばらばらにしシート状に再構成されたものといわれます。 また日本の手漉き和紙は水芸ともいわれ、水の自然の動きと漉き手のコントロールされた動きの中で繊維は水の中に泳ぎ、絡み、強靭なシートになります。 また、和紙は自然の植物繊維をできるだけ丁寧に取り出し、自然の水を使い、作ることが理想とされています。 なぜならば、素材である植物や水は紙が作られる土地そのものであり、そこで作られる紙はその土地の人や環境を反映しているものと考えられているからだと思います。 現在この土地には、かつてポリネシアの方たちが海を越え運んできた、カヌープランツのひとつ、タパに使われるWAUKEが多くあります。これは日本の和紙に使われる楮の原種と同じで日本では梶と呼ばれ、楮同様、和紙の主要な原料のひとつです。また補助原料(ネリ)に使うことができるハイビスカスの仲間も自生しています。ただ、もうひとつの重要な要素水。一見このハワイの溶岩でできた、水はけのよい地表には水はあまりないようにみえます。。 しかし、今の雨季の季節。空からは多くの雨水が降り注ぎ、浸透しやすい溶岩を経て地下から海には豊かな水がありそうです。 これは地域の人々と外から訪れた日本人和紙職人でありアーティストが協働し自然の水を探し、その場の環境、景観をいかして、ハワイにポリネシアの方たちが運んできた重要なカヌープラントであり日本の和紙の原料でもある楮の原種に近いハワイのWAUKEを使いそれぞれの環境を漉きとり、シートにするプロジェクトです。
Paper is a object of reconstructed fibers in the form of a sheet. 
Japanese hand-made Washi requires precise control over the movement of hand and water for the fibers to swim. They become entangled with each other and become a strong sheet. Because of this, it is called one of water’s tricks. 
Moreover, the best condition for making Washi involves using only natural and local plant fibers and water. What you make the paper with (materials), and where you make it (the place) can be a reflection of the environment and people’s lives.
Today, there are lots of WAUKE in Hawaii. It is one of the canoe plants used for Tapa brought by Polynesian people a long time ago. WAUKE is called Kaji in Japan; it is from the same family as the Kouzo plant. These two plants (Kaji and Kouzo) are usually the main materials of Washi-making in Japan. There is also a type of Hibiscus growing here that can be used as support material (glue). In Hawaii the ground seems to absorb a lot of water because of the original lava. However, I think there might be a rich water source underground that connects to the ocean in the rain season.
This project is a collaboration between a Japanese Artist/Washi craftsman and the local people to create paper using WAUKE in the hopes of reflecting the environment, people, and natural materials from the place.


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